定期的に医者にかかるべき5つの理由

筆者は長年、内科医としてたくさんの患者さんを診てきましたが、「まだ医者に診てもらわないでも大丈夫だろうと油断していたら、突然体調が急変し、入院が必要になってしまった」という人をあまりにも多く見てきました。個人的には、どんなに健康な人でも、定期的にかかりつけ医に診てもらうべきだと考えています。少なくとも一年に一回は受診することをお勧めします。その理由は以下の通りです。

  1. かかりつけ医を持つため

人生で一度も受診していなければ、親身になってくれる医者とつながることはできません。一方、かかりつけ医がいるということは、自分の複雑な病歴を理解し、現在そして未来の健康づくりを一緒に考えてくれる人がいるということです。筆者の知人の中には、病院や医者に嫌な思いをさせられた経験から、何が何でも医療機関を敬遠するようになり、自分の健康さえも害してしまう人が少なくありません。それはその通りで、すべての医者が自分に合うとは限りません。心の底から信頼できる医者を見つけるまで、いろんな病院やクリニックに何度も足を運び続けることが自分自身のためになるのです。

  1. 健康診断を受けるため

糖尿病、高コレステロール、心臓病、がん、または重篤な病気を患った家族が身近にいますか?もしそうなら、自分も同じくこうした病気にかかる可能性があり、そのリスクを減らすために何らかの行動を起こさないといけません。どのようなスクリーニング検査が必要かを判断するには、医者がサポートしてくれます。

  1. 体のバランスを保つため

6号だったサイズが10号に上がっていると、一瞬のうちに太ったように思えますが、実際は、何ヶ月・何年もかけて体重が増えていったことを不思議に思ったことはありませんか?何年かぶりに受診された患者さんは、ほとんどの場合、前回の受診時から10キロ以上体重が増加していることに大変驚かれます。たとえ、若いときのスリムなジーンズがまだ入るとしても、心拍数や血圧など、その他の健康指標は長期にわたって追跡・調査していかなければいけません。定期的に医者に診てもらい、基本的な指標をチェックすることで、自分の体のバランスを保ち、健康システムを維持することができるのです。

  1. 心をコントロールするため

女性であることがうつ病の危険因子の一つであり、女性は生涯のうちにうつ病を経験する確率が男性の2倍以上であることはご存知でしたか?さらに、自分の症状に気づくのが必ずしも上手であるわけではありません。一方、定期的に病院でメンタルヘルスチェックをしてもらえば、ひどく悪化する前に警告のサインを発見するのに役立つかもしれません。

  1. 良質な睡眠をとるため

米国国立衛生研究所によると、アメリカ人の30~40%は不眠症の症状を示すことがあり、10~15%は慢性的な睡眠障害に悩まされていて、さらにその大部分は女性が占めているそうです。なかなか眠れない夜が続くと、朝からコーヒーを飲みたくなるものですが、睡眠障害が慢性化すると、長期的には高血圧、不安神経症、糖尿病などを引き起こす可能性が著しく高くなります。そこで、医者の診察を定期的に受けることで、不眠の根本的な原因を発見し、良質な睡眠をとるために必要なサポートを受けることができるかもしれません。